むくみと病気

肝臓障害とむくみ【保健師・看護師執筆】

投稿日:1月 8, 2017 更新日:

今回は肝臓障害を伴うむくみについてお伝えいたします。

肝臓についてお話するまえに、むくみについてお話いたします。むくみとは浮腫(ふしゅ)ともいいます。

血液には酸素、栄養素、そして水分などが含まれています。血液は心臓から送り出され全身の臓器を巡り、臓器を正常に働かせるためにそれらを送りとどけます。そして不要になった老廃物を回収して心臓に戻ります。

むくみとはその、循環しているときになんらかの理由で水分などが全身の色々なところにたまってしまい、膨らんでしまうことです。



肝臓の働き

肝臓についてお話します。肝臓は横隔膜の下にあり胃の左側にある臓器です。その働きは大きく分けて二つあります。

一つは代謝です。食べ物を消化吸収したあと、肝臓は糖、たんぱく質、脂肪をエネルギーの元となる形に変えます。そしてエネルギーの元を貯蔵します。体にエネルギーが必要なときにエネルギーのもととして供給されるのです。

また、このエネルギーの元を運ぶ役割するタンパク質も肝臓でつくられています。このタンパク質を、アルブミン、といいます。アルブミンは肝臓でしか作られません。アルブミンは血液中の様々にエネルギーだけでなく、様々な物質を運んでくれます。そして体液のバランスをとる役割もはたしています。健康診断の血液検査の欄に、アルブミン、という名前を見たことがあるかたも多いかと思います。肝臓の機能が低下すると、この数値も低くなります。

二つ目は解毒です。体の老廃物やアルコールなどを分解して体に影響をしない形にかえてくれます。

肝臓は「沈黙の臓器」とも言われることがあります。なんらかの原因で障害と受けていても自覚症状として体に現れるまでにとても時間がかかるのです。

肝性浮腫

肝臓の障害が起きた時に起こる自覚症状のひとつにむくみがあります。

これを「肝性浮腫」といいます。

肝性浮腫は肝臓障害(肝機能障害)の最初にあらわれます。特に左側の足からあらわれるのが特徴です。そしてそのままむくみの症状が進行すると、下半身全体から全身へとむくみが広がってしまうのです。さらに腹痛が続いたり、嘔吐したり、あるいは意識障害に見舞われることもあります(意識障害とは、肩を叩く等の外側からの刺激、名前を呼ばれたりしても無反応であったり、状況を正確に把握することが出来ない状態のことです)。

むくみの他には、疲れやすく体がだるい全身倦怠感や微熱、かゆみ、食欲不振等の症状があります。

肝臓は先ほどお話ししたように、糖やたんぱく質をエネルギーの元に変えて貯蔵したり、体の老廃物を分解して解毒してくれる非常に大切な臓器です。肝性浮腫は肝臓の働きがなんらかの原因でうまく機能しなくなったときにあらわれます。

そして、沈黙の臓器と言われるほど我慢強いため、むくみ等の自覚症状があらわれたときには原因となる病気がかなり進行していることが多いのです。

ではその原因とはなんでしょうか。肝性浮腫をひきおこす、肝臓障害(肝機能障害)の種類について代表的なものをあげてまいります。

肝性浮腫をひきおこす、肝臓障害(肝機能障害)の種類

脂肪肝

肝臓はエネルギーの元を貯めている臓器です。しかしながらそれら全てを全身に送り出しているわけではありません。ある程度のエネルギーの元は備蓄されています。それが、毎日の食生活で食べ過ぎたり、飲み過ぎたりしていると、備蓄されているエネルギーの元がふえすぎてしまい脂肪肝になってしまうのです。

肝炎

肝炎には、アルコールによる肝炎、薬の服用が原因の薬物性肝炎、ウイルスに感染することによる肝炎などがあります。そしてウイルス性の肝炎では、肝がんのほとんどがウイルス性肝炎から起こるといわれています。しかしながら、日常生活の中でウイルス性肝炎に感染する可能性はほとんどないとされているため、病院で検査を受けてウイルスが発見されなければ心配はないでしょう。ウイルスが発見された場合には、その後肝がんになる可能性が高くなるため継続して通院してください。

また、大量飲酒による脂肪肝が、さらに進行して悪化したものがアルコール性肝炎といいます。主な症状は、むくみ、倦怠感や吐き気、黄疸(眼球の白い部分が黄色くなったり、手が黄色くなってしまうことです)などですが、はっきりと現れないこともあります。肝臓は非常に回復力が高い臓器です。アルコール性肝炎の診断を受けても、初期症状であれば飲酒量を減らすことで肝炎が改善することもあります。

肝硬変

肝硬変は肝炎が進行した状態で、最終的に肝臓が硬く小さくなります。

肝がん(肝臓がん)

肝がんは、主にウイルス性肝炎から進行したものと、他の器官のがんから転移したものに分けられます。正常に機能して働いている肝臓がいきなりガンになることはなく、他の臓器で進行したガンの転移か、先にも述べたようにウイルス性の肝炎が進行して肝癌となります。肝臓はがんに侵されていても初期の段階では自覚症状はありません。がんが進行してから自覚症状があらわれます。進行すると肝硬変の症状である食欲不振・黄疸・倦怠感むくみなどが現れます。

肝臓が原因のむくみは左足からあらわれる

肝臓障害(肝機能障害)には初期症状がほとんどありません。
しかしながら、左側の足からむくみがあらわれるという特徴があります。
日頃からの食生活や飲酒を上手く管理するとともに、ご自身の体でむくみはあるか、むくみやすい場所はどこか日頃から注意しておくことも大切です。

そして肝臓は血液の検査結果からわかることも多いので、自治体の住民検診、お勤め先の健康診断を利用して定期的に確認することをおすすめいたします。

執筆者プロフィール

石毛陽子
保健師 看護師 資格有り
看護師経験 :消化器内科外科
保健師経験 :社会福祉施設、保健所(母子保健担当)、病院併設健康管理センターにて産業保健指導担当
ココナラにて健康相談、医療健康記事執筆サービス提供。ご依頼はココナラ内から【保健師 YWFH】まで。

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