むくみと病気

リンパ浮腫

投稿日:3月 21, 2016 更新日:

リンパ浮腫日常的に起こることもあるむくみですが、実は病気が原因で起こる場合もあります。

むくみが起こる代表的な病気にリンパ浮腫というものが挙げられます。

リンパ浮腫というのは、リンパ液の流れが悪くなり、組織間質内に水分などがたまり、それによって慢性的にむくむ状態をいいます。

リンパ浮腫はただ手足や体がむくむという病気ではありません。

リンパの流れが悪くなるため細菌の侵入などによる合併症も引き起こされる可能性もあるのです。

リンパ浮腫は完治するのが難しいことでも知られており、一度リンパ浮腫になった場合には、一生付き合わなければいけない病気とも言われています。

リンパ浮腫は専門の医師のもと、根気よくしっかりと治療を行っていきましょう。

リンパ浮腫の原因

リンパ浮腫は大きく2つに分けることができます。

ひとつは生まれつきといった先天的なものを含む原因不明の「1次性(原発)リンパ浮腫」というものです。

もうひとつは、がんの手術や治療などによるリンパ節切除や放射線治療、外傷、感染などで起きる「二次性(続発性)リンパ浮腫」です。

この2つのうち「二次性リンパ浮腫」に関しては、リンパ浮腫全体の約90%を占める割合となっています。

リンパ浮腫の多くは乳がんや子宮がん、膀胱がんや前立腺がんなどの手術や放射線治療を受けた方に起きているのです。手術の直後の場合から発症することもありますし、数年後に発症するケースもあります。

特に、女性特有の乳がんや子宮がんの治療を受けた方にリンパ浮腫は多く起きているという統計があり、乳がんで30%、子宮がんで40%の方に治療後リンパ浮腫が発症しています。

リンパ浮腫の症状

リンパ浮腫の症状についてですが、足などの下半身はもちろん、手や体(体幹)など体のさまざまなところでむくみが起きます。

リンパ浮腫の症状は初期から重度まで4つのステージに分類でき、ステージごとに症状が変わっていきます。

潜在性リンパ浮腫(ステージ0)

まだ、むくみは起きていない初期の段階です。リンパ管の一部が塞がってもリンパ液が脇道(バイパス)へ迂回して流れるのでむくみがない状態になります。

可逆性リンパ浮腫(ステージ1)

軽いむくみが起き始めますが、皮膚はまだ柔らかい状態です。むくみを指で押すと押したあとが残ります。皮膚は青白く冷たく感じられるのも特徴です。腕や足のむくみであれば、上にあげておくとまだ元に戻る時期になります。

非可逆性リンパ浮腫(ステージ2)

皮膚に柔らかさや弾力がなくなります。指で押しても凹みません。腕や足を上げてももとには戻らない時期になります。このステージの後期になると、皮膚が線維化して硬くなることもあります。

象皮症(ステージ3)

皮膚が変形して表面が硬くなり、むくみも大きくなる時期です。文字通り、象の皮膚に似ているため象皮症と呼ばれます。

リンパ浮腫の治療

リンパ浮腫の治療には複合的理学療法と手術、それからこの両方を組み合わせて治療する方法があります。

複合的理学療法ではスキンケアやリンパのマッサージ、圧迫療法、圧迫運動療法などを複合的におこなっていきます。

リンパ浮腫の悪化予防

病院で治療を行うのは当然ですが、日ごろの生活でもリンパ浮腫が悪化しないように心がけましょう。

スキンケア

細菌などが入らないように皮膚を清潔に保ち、怪我などをしないように気を付けましょう。肌が乾燥しないように肌の保湿もしていきましょう。

衣類

リンパの流れを滞らせないよう、ゆったりとしたものを選びましょう。

食事

塩分の取りすぎを注意するのはもちろん、栄養のバランスに気を付けて食事をしましょう。

あとは、通常のむくみ予防同様、長時間同じ姿勢でいないことや、軽い運動など心がけていくことが大切です。

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