むくみというのは、誰にでも日常的に起こるものです。よほどむくみがひどい方でない限り、むくみだけを病院で治療することもないでしょう。
ただ、病院に行くまではないにしても日常的にむくみで悩んでいる方が非常に多いというのも事実です。
このようにむくみというのは、私たちの体の変化の中でも良く起こることなのですが、そもそもむくみとはどういう状態をいうのでしょうか?
むくみは組織間液が溜まっている状態
中学校の時に習ったように私たちは約60兆個もの細胞からできています。
その細胞と細胞の間には組織間液というものがあります。
この組織間液がたまってしまった状態がむくみということになります。
この組織間液は細胞に栄養素や酸素を運んだり、細胞から出た老廃物を運んだりと重要な働きをしています。
細胞に栄養素や酸素を運ぶ時には、動脈を流れている血液の一部が血管の壁を通って血管の外に出て、それが組織間液となり、細胞に栄養素や酸素を運んでいきます。
次に、細胞が活動して出た老廃物を運ぶときには、今度は組織間液が静脈の壁を通って血管に戻っていきます。
このときに戻りきれなかった水分はリンパ管を通って排出されることになります。
本来、この組織間液の量が正常であればむくみはおきません。
しかしながら、なんらかの理由で、血管から出る組織間液が多くなる、静脈やリンパ管が回収する組織間液の量が少なる、もしくはその両方が起こることによって、細胞と細胞の間の組織間液が増えた場合、いわゆるむくむという状態となるのです。
むくみはリンパに老廃物がたまっている状態
テレビなどでも血液が勢いよく流れている映像を見たことのある方もいるでしょうが、リンパは血液とは異なり、流れがとても緩やかです。リンパの流れは筋肉の収縮でよくなりますので、体をあまり動かさないとなると当然リンパの流れも悪くなります。
リンパは組織間液が回収した老廃物を含んでいますので、むくみが起きているときというのはリンパ管の中に老廃物がたまっている状態ということになります。
むくみ予防には血液、リンパ液の流れを良くする
現代人は慢性的な運動不足であるということはよく言われていますが、運動不足であるということは筋肉をあまり動かなさいということでもあります。
これに加えて、偏った食事などをしていれば、さらに体に老廃物がたまりやすい状態になります。
栄養バランスの取れた食事を心がけてはいるものの、忙しくなるとついついコンビニなどで食事を済ませてしまうという方も多いでしょう。
食事をインスタントのみで完結させてしまっている方も少なくありません。
こういった食事は栄養バランスだけではなく、むくみの大敵となる塩分過多であることも少なくありません。
濃い味付けになれてしまっている方であれば、すでに塩分過多の食事にさらに塩をかけるということもあるかもしれません。
こうなってくると血液やリンパの流れも悪くなりますので、組織間液が増えてしまい、その結果むくみを引き起こしてしまうことになります。
このような状態にならないためにも、日ごろから適度な運動やバランスの良い食生活、体を冷やさずに血行を良くすることを意識していきたいものです。
こういったいわゆる健康的な生活というものがむくみ予防にもつながってくるのです。
ただ、いきなり生活のすべてをガラリと変えるのも難しいでしょう。
まずは、むくみを含めて健康を意識すること、そこからひとつひとつ日常生活の中でできることを見つけていくことです。
ちょっとした工夫でも続けていくと状況も違ってきますよ。