今回は心臓病が原因でおこるむくみについてお伝えしてまいります。
心臓の役割
心臓は血液を全身に送り出すポンプの役割をしている臓器です。血液には酸素や栄養素、水などが含まれており、健康な身体を維持するためには全身に血液をめぐらせる(循環)ことが必至です。心臓というポンプには、血液を送り出す役割と、全身を巡って戻って来た血液を受け取るという役割がありあす。
そして心臓がポンプの役割をしっかりと果たせないいためにおきた体の状態を、心不全といいます(心不全とは病名ではありません)。ポンプの役割を果たせない原因となる疾患の総称を、心臓病といいます。心筋梗塞、心筋炎、狭心症、不整脈などが挙げられます。
また心不全となる原因はひとつではなく、高血圧などで長い期間、心臓に負担がかかり心不全の原因となってしまうこともあります。
心臓病とむくみ
心臓病が原因で心臓のポンプの力が弱くなると全身の血液のめぐりが悪くなります。そうすると血液に含まれる水分が全身にたまってしまいます。それがむくみです。またむくみは浮腫(ふしゅ)ともいわれます。健康な状態ならば、たまらない場所に水がたまってしまう状態です。
心臓が原因のむくみの場合、ご自身で分かりやす場所は脚です。脚は心臓から一番離れた場所にあるからです。脚のすねを親指で軽く押し、数秒間たっても凹みが戻らない場合はむくみと考えて良いでしょう。むくみが原因で就寝中に脚がつることもあります。
心臓が原因でむくみが見られる場合、横になると血流が回復してむくみが治ることがあります。
また、心臓の働きの弱い状態が強く長く続いた場合には肺にも水がたまります。レントゲン等の画像を見ると、水がたまっている場所が白くなっています。これを肺水腫といいます。
心臓が原因のむくみの特徴
女性の場合はむくみがでやすい方も多いようです。一日中立ち仕事をしていて、夕方には脚が痛む方や靴を履いていてきつく感じる方もいらっしゃるでしょう。健康な状態でもこのむくみは起こります。マッサージをしたり、しっかりと休養をとることで治るむくみならば心配は要りません。
しかしながら横になって休養をとってもむくみが治らず、加えて階段の昇り降りなどの軽い運動で動悸や息切れが続く場合には注意が必要です。また肥満ではなく急激な体重増加も心臓が原因で全身がむくみ、その結果体重が増える、体内に不要な水がたまっているということもあります。
心臓が原因のむくみかもしれない場合は何科で診察?
日常生活のなかでそれらの症状が気になった場合には循環器内科での診察をおすすめします。大きな大学病院や総合病院に受診するのは敷居が高いという方もいらっしゃるかも知れません。お住いの近隣にある内科クリニックで、循環器内科と看板をあげているクリニックは循環器内科専門医が開業しています。内科、循環器内科と並列して看板をあげているクリニックならば身近な存在として相談しやすいでしょう。診察の結果、大学病院や総合病院での検査等が必要と、主治医が判断した場合には紹介状を出してくます。
受診する際には、むくみがどのくらい続くか(一日中続くのか、数日間続くのか等)、体重が急に増えたか、体のどこがむくんでいるか、など問診で医師から質問されます。気になっているむくみについてメモに書いおくとよいでしょう。
むくみは心臓病の発見のサインかもしれません。過労や生活リズムの乱れ、ストレスにより心不全がひきおこされていることもあります。むくみはわかりやすいサインです。日々のケアで改善しないむくみは放置せず、適切な治療を受けるようにしましょう。
執筆者プロフィール
保健師 看護師 資格有り
看護師経験 :消化器内科外科
保健師経験 :社会福祉施設、保健所(母子保健担当)、病院併設健康管理センターにて産業保健指導担当
ココナラにて健康相談、医療健康記事執筆サービス提供。ご依頼はココナラ内から【保健師 YWFH】まで。